ケニア日記

ケニアのNGOでのインターン記を綴っていたブログ。今は電器メーカーの財務で働いてます。

洗濯代行サービス

今のホステルには洗濯機がない。みんな大きいバケツのような洗面器のような容器と洗剤を買って手で洗っている。しかし、洗濯というのはめちゃくちゃしんどいのだ。
 
専業主婦なる職業の存在意義が僕は全く以て理解不能だったのだが、初めて手で洗濯をして、洗濯機などの家電がない時代には必要だったんだなーと実感するに至った。ガンガンに水を吸ってしまうスウェットとか、元から重いデニムを洗って、絞るのは本当に苦行である。自炊をすることがなければ冷蔵庫はなくても何とかなるなーと最近思いつつも、洗濯機は一番重要な家電であるというのが僕の考えである。
 
ところで、今僕が住んでいるホステルには洗濯機はないが代わりに洗濯サービスがある。洗濯物の量にもよるが、おばちゃんに100KES払えばやってくれる。僕の知る限りこのサービスを使っている人は他にいないのだが、僕は今まではずっと面倒なので全部このおばちゃんに任せていた。
 
今日のタイトルの洗濯代行サービスというのはこのおばちゃんの仕事のことを指しているのだが、あなたならこのサービス使うだろうか?これはケニアなりどこへなりに、何を求めて来たかにもよるだろう。
 
僕は自分が異国で一人という環境に放り込まれたときに自分が何できるのか挑戦してみたいという思いや、アフリカの可能性を見極めるため、開発の現場を見るためなどという理由でケニアに来た。別にアフリカ人のような生活したくて来たわけではないし、どんな環境でも生き抜けるだけの心構えと術くらいは身につけようと思っているが、はっきり言ってめちゃくちゃしんどい洗濯はしたくないし、根が人生を楽に生きたいと思っている人間なのだ。
でも、日本人はたぶんお金を払って人に何か作業をしてもらうということに抵抗感を感じる民族だと僕は思っているので、結構使わない人もいるのではないかとふんでいる。僕は雇用を生み出してむしろケニアの経済発展に貢献しているくらいの気持ちでこのサービスを使っているけど。
 
というわけで洗濯は今までアウトソーシングしていたのだが、最近なぜかホステルがほぼ満員になり、このおばちゃんが忙しそうにしていて、洗濯を頼みづらい(というか頼んでいつ終わるのかが想像しづらいから使いにくい)のと、毎回洗濯物をしわしわにされるたりおばちゃんの仕事のクオリティに不満があるなど、ほかにもいくつか理由はあるのだが、今回自分で道具を買ってやってみた。そしてその結論が今日さんざん書いてきた、洗濯はしんどいというものだ。
 
 
僕がこの経験から学んだのは洗濯機の偉大さと、プリンシパル=エージェント理論におけるプリンシパルの立場だ。僕は一度自分で洗濯をしてみて、マジでつらかったのでこれからはやはりおばちゃんにお願いしようと思っているのだが、おばちゃんの仕事に不満があるのも事実だ。というか、あのおばちゃん適当に水で濡らして乾かしてるだけじゃないのかくらいの疑いを持って自分で始めたという経緯もある。
結果はあまりにつらく、かつ自分でやってもそこまできれいにならなかったので、急いでいるなどの用事がない限りやはりアウトソースするべきというのが結論なのだが、しかしおばちゃんにはもっとベストを尽くしてほしい。しかしながらたかが洗濯物において成功の定義は難しく、インセンティブ契約を結ぶことも難しければ、かといって逐一仕事を監視することもできない。
 
普通に日本にいると、お金を払って何かをしてもらうという機会はあまりない、というかあっても仕事の成果を疑うようなことはあまりない。依頼する仕事の性質がより高度なものになってくればまた話は違うのだろうが。うーん、どうしたものかな。人を雇うって大変なことだなーとしみじみと感じる次第だ。
 
また、日本でコインランドリーを使ったことはないのだがどうやら調べてみると300円くらいで使えるようだ。これ洗濯機が普及していない途上国に持って行ったら絶対流行ると思うんだが誰かやらないかな。っていうか普通に洗濯機買って洗濯代行すれば儲かる気がする。