ケニア日記

ケニアのNGOでのインターン記を綴っていたブログ。今は電器メーカーの財務で働いてます。

【書評】マネーロンダリング

僕は人の話を黙って聞くのが苦手で、講演などでも斜に構えて聞いてしまい、あまり人の話を聞いて感銘を受けただの価値観が変わっただかいう経験は全くないのだが、小説や映画など、物語にはころっと影響を受けてしまう。映画は少し違うが、本だと能動的にコンテンツに触れるからかと思っている。『ハゲタカ』とか『トップレフト』を読んで金融の仕事にあこがれたりと、結構ミーハーなのだ。

 
この二日間で一気に読んだ本が橘玲さんの『マネーロンダリング』である。
投資銀行やヘッジファンドで働き、挫折した日本人の主人公がヒッピー生活などを経て、香港に流れ着き、日本の金持ちが海外に資産移転して脱税するアドバイザーをして暮らしている物語だ。
とある美しい女性の海外に5億移したいという依頼を受けたことから主人公がやがて大きな事件に巻き込まれていくというのがざっくりしたあらすじで、香港社会の情景や、国際金融の実務などをリアルに感じられて、かつストーリーも緊張感があり非常に読み応えがある。
金融都市の香港とナイロビでは全く違うのだが、海外で一人という状況や、コネと信頼でつながっている香港社会がナイロビ意外と似ているものだと勝手に自らの境遇と重ね合わせて読み終えた。そして影響されやすい僕は香港に行ってみたい、そして世界のどこでも食っていけるようになろうと決意を新たにしたところである。
 
僕のブログを読んでくれている人はケニアとか、ボランティアとか、開発とか、そういう方面に興味関心があるかまたは僕に関心がある奇特な方のどちらかだと思うが、前者の金儲けとか興味ありませんというタイプの人にこそ是非おすすめである。是非とも下のamazonからぽちってほしい。
余談だが、僕はkindle版でを購入してiPhoneで読んだのだが、本当に電子書籍が便利、かつiPhoneがデバイスとしてなかなか快適なので今度それについてのエントリーも書く予定だ。
 
マネーロンダリング (幻冬舎文庫)

マネーロンダリング (幻冬舎文庫)