ケニア日記

ケニアのNGOでのインターン記を綴っていたブログ。今は電器メーカーの財務で働いてます。

ルノアールに学ぶ高齢者向けビジネス


昨日に引き続いてルノアールでの出来事。
御徒町のルノアールは結構常連の老人がおり、顔なじみの店員に話しかけたりする。この老人は友人と談笑する場としてカフェを選んでおり、そしてその中でもルノアールを選んでいるようだ。
スタバのメニューは分かりづらい(サイズとか特に)とよく批判を受けるが、分かりづらいと思われるリスクをとってでもあの表記を採用している理由はおそらく二つあって、一つがブランドイメージ確立のため、そしてもう一つが来店のハードルをあげることで「スタバにそぐわない人」を排除するためではないかと思っている(これもひいてはイメージ確立につながる)。そしてこのハードルにはじかれた人が昭和の喫茶店的ルノアールに集まるのだ。お互いに上手くポジションを取っていると言える。
 
つまり、ルノアールは老人でもわかりやすいメニュー、仕組み、雰囲気を採用することで西海岸型カフェが席巻するカフェ市場において、彼らが取りこぼす客をしっかりキャッチしているのだ。実際スタバが登場した頃にルノアールは店舗数の減少を強いられたが最近はまた業績が良い。
 
また、以前宝くじの悪口を書いたが先日さらに恐ろしい光景を目撃した。湯島天神に栃木観光のバスが乗り付け、老人がぞろぞろと降りてくるのでバスを見てみると宝くじ購入&祈願ツアーと書かれていた。
おそらく栃木の老人を拾って、どこか都内の有名な売り場で購入し、湯島天神で当選を祈願するツアーなのだろう、その後で大江戸温泉くらい行くのかも知れない。はっきり言って僕にとっては意味不明のツアーなのだが、少なくともバスは満員のようでなかなか盛況だったと思われる。菅原道真が祀られており、学業成就を祈る人が多く訪れる湯島天神において自身の宝くじの当選を祈るという老人の業の深さを目の当たりにしたわけであるが、同時にビジネスチャンスも感じた。
 
今更言うまでもないが、日本において高齢者とは増加傾向にあり時間も金もあり、結構元気で長生きするのでかなり理想的なマーケットなのだ。一方で彼らはIT機器的なものを使えず、古い慣習にとらわれ、コミュニケーションを大事にするという傾向を持つ。ルノアールや宝くじツアーはこれを上手く狙っている。
これを見て思ったのはネットに駆逐されオワコンと言われるビジネスはもっと高齢者向けに大胆に舵を切った方が良いのだろういうことだ。旅行代理店、家電量販店、出版社、証券のリテール、アダルトとかがぱっと思い浮かぶところかな。書いて思ったけど、どれも結構既に高齢者狙ってるな… ただ彼らはもっとコミュニケーションを重視していると思うので、田舎に誰でも来れるフリースペースを作って、そこで家電の実演販売、旅行の窓口販売、金融商品の販売などを行う高齢者囲い込み複合施設とか作ったら良いと思う。後はエロ本も若者なんてもはや誰も買わないのだから都会のコンビニで売るのはあきらめて、コンテンツも高齢者向けに刷新して配送とかでひっそり販売したら良いと思う。