ケニア日記

ケニアのNGOでのインターン記を綴っていたブログ。今は電器メーカーの財務で働いてます。

日本人は素人と努力がすき

また紅白の話。
司会の綾瀬はるかがひどくって、噛みまくりに超グダグダ進行で、司会のスキルはゼロに等しかったのだが、その様が可愛いということでかなり評判が良かったようだ。まああれはただひたすら可愛いよね、男には好かれてもおばさんには嫉妬されそうだけど。
 
単純に見た目が可愛いというのもあるが、あれは素人(女優であっても司会は初心者)が健気に頑張っている様子が心に訴えるものがあり、可愛く見えるのだろう。これは甲子園や、AKBが受けるのと同じ論理だ。
大学野球やプロ野球より下手な甲子園を見るのは、まだまだ若い「素人」が「努力」しているところが見れてそこにドラマがあるからだ。AKBも一緒で、たとえばパフュームやきゃりーぱみゅぱみゅは作り込まれた作り込まれたアイドル(いわゆるアイドルというよりは偶像としてのアイドルだが)であるのに対して、AKBは歌も踊りも素人で、ちょっと踊りとか間違えてもそこが可愛い!となるのだ。高校球児のエラーががんばれ!になるのと一緒。今回の綾瀬はるかも完全に一緒だ。
 
 
NHKが綾瀬はるかを起用した時点でどこまでこの効果を狙っていたのかは知らないが、それなりに確信犯的なものだと僕は思う。あまちゃんもアキがプロではないアマであり続けることは一つのテーマであり、コメントなどを求められたときの戸惑い具合が相変わらずアキっぽいというか素人っぽくて可愛かった。同時に、リアスと中継したときの北三陸の面々は、みんな演技が達者な役者揃いであり、プロが「素人が紅白に出る」様子を全力で演じていてすごいあまちゃんっぽくて楽しかった。あまちゃん知らない人は、何かグダグダしてていもくさいなくらいに思ったのかも知れないがw
とにかくNHKはこのちょっとグダグダした素人が頑張ってる感じを軸に据えていて、だからこそ綾瀬はるかも狙い通りだったのではないかと思うのだ。
 
紅白は基本的には対象年齢は全年齢だ。おじいちゃんから孫までそろってテレビを見ることが想定されており、だからこそ演歌歌手もアイドルも出る。この「素人」が「努力」している様というのも世代を問わず日本人受けするテーマなので紅白が取った戦略としては悪くなかったと思う。
 
 
日本人の悪いところはこの「努力」を重視しすぎるきらいがあり、たとえばクソみたいなデータ入力作業をマクロ組んで効率化したら何やってるんだとか言われたり、同じ仕事をしても時間をかけた方が残業代が出たり遅くまで頑張ってるな、と評価される謎の文化がある。
 
エンターテイメントの世界なら全然オッケーなのだが、プロの世界では努力とかどうでも良くてもっと結果をシビアに評価しなければならないだろう。プロ野球選手がエラーしたら「頑張って!」とか言ってる場合じゃなくて、「何やってんだよ!」と怒るのと一緒だ。