ケニア日記

ケニアのNGOでのインターン記を綴っていたブログ。今は電器メーカーの財務で働いてます。

AKBの運営がたたかれる理由

あまちゃんでGMT47というアイドルグループがあった。言うまでもなくAKBをパクっており、GMTは地元の頭文字で、47都道府県のご当地アイドルを集めたアイドルユニットという設定だった。
これをやられたらやり返すと言わんばかりにAKBがパクリ返して、全都道府県から代表一人ずつ決めてオーディションやって、トヨタをスポンサーにひっさげて新しいチームを作ると発表した。詳細はまだアナウンスされてなくて、というかたぶん運営のほうでも具体的には決まっていない。
 
 
今のAKBの市場規模を考えると、嫌いな人もいるだろうがやはり秋元康を筆頭とした運営は経営センスがあると言わざるを得ない。そのマーケティングや運営手法から学べることは多いと思う。そんなAKBであるが、基本的に運営はファンには嫌われており、上の新チームの話も概ねブーイングだった。AKBといえばサプライズと言ったりするが、さながら業績下方修正のお知らせと同じく、AKBのサプライズはだいたいファンにとっては悲しいニュースになる。
 
何故このようなことになるかというと簡単で、運営とファンの目線が一致していないからだ。選抜総選挙に代表されるようにAKBはメンバー同士の競争を煽っているし、厳密にはファン同士の競争を煽っている。これはたとえば大島優子のファンが前田敦子に勝ってほしいと思うと、総選挙などで優子に金を使うからだ。
なかなかえぐい上手くできている仕組みなのだが、ここで運営とファンの目線の乖離が起こる。つまり、運営としては大島優子はBCGマトリックスでいうスターないしは金のなる木なので、精一杯金を稼いでもらいたいが、いつまでもそれに依存するわけにもいかず、問題児に投資して次なるスターを発掘したいのだ。
ところがAKBのファンは上述の通りAKBが好きというより、メンバー個人にコミットしていることが多いので、新しいメンバーが増えることを望まない。なぜなら自分が推しているメンバーの出番が減る可能性が高いから。また、仮にメンバー個人ではなくAKB全体が好きな人もいるのだが、そうした人もやはり変化は好まない。人間は保守的なのだ。
しかし運営はサプライズを繰り返す。変化起こして、新しいマーケットの開拓と既存顧客を飽きさせないことを狙うからだ。そしてこれがだいたい批判を浴びるのだ。
 
僕としては運営は次に何をするのかがすごい楽しみで、何でもやってくれという感じなので、今回の新チームの話ももちろん歓迎だ。あと運営のすごいところはさながらITベンチャーのスピード感で、とりあえずβ版リリースして、反応悪かったら修正したり無かったことにしたりと、ものすごいスピード感で経営している。ファンが最初はぶーぶー言ってた取り組みも蓋を開けてみれば好評ということもよくある。
 
だいたいファンが批判するときはメンバーが可哀想というロジックで運営を批判する。出番がないだの、振り回されてるだの、自分が推しているメンバーが不遇ならなおさら批判する。その時点で運営の思うつぼ(可哀想だから金を使おうとなるから)なのが本当によくできているなーと思うのだが、みんな競争社会と可愛い女の子の市場価値を舐めすぎだと思う。競争社会、まして芸能界を目指している時点で売れないことや冷遇されること自体当たり前の話だし、代謝よくしていかないと確実に全体にとってマイナスになる。だいたい可愛い子なんて芸能界で成功しなくても、大学とか企業で元AKBとしてモテて、金持ちの男捕まえて上手くいくよ。