ケニア日記

ケニアのNGOでのインターン記を綴っていたブログ。今は電器メーカーの財務で働いてます。

他人の目が気になるとき

レオ様はまたしてもアカデミー賞を逃したようだが、主演男優賞マシュー・マコノヒーになったらしい。賞を取った「ダラス・バイヤーズクラブ」は見ていないのだが、「ウルフオブウォールストリート」内でも以前感想を書いた気がするけど、レオ様よりインパクトあったしすごい役者だと思う。
 
 
 
さて、以前さらっと書いたが、うちは社員証の写真が入社前にデータで提出だった。入社後の研修期間が長い会社は、その時に撮ってくれたりもするらしいのだが、あいにく自分で用意しなければならなかった。僕は常日頃から紙の書類などを忌み嫌い、すべてデータ化しろと吠えている人間であるが、この写真の提出がデータ提出で求められて、困ってしまった。というのも僕が持っている自分の証明写真は駅にある無人の600円で撮ったプリクラもどきのみで、たまに履歴書に写真添付を求められたときに使うものだけだからだ。データなんて当然持っていない。
 
いくつか規定があったが、服装は自由で空気読んで決めてください、みたいなニュアンスだったので、悩んだ挙句スーツにネクタイで撮った。そしてデータなんて持っていなかったので、自室でスマホで自撮りした。この時ばかりはデータ提出を恨んだものだ。
 
そしてこの提出が遅れてお叱りの電話が来たというのは以前書いた通りだ。アイセックというゆるゆるした組織で生活したせいで、締め切り日を提示されても、まあ数日遅れても大丈夫だろうみたいな癖がついていたのだが、どうやら社会では通用しないらしい。いや、写真撮るのが面倒だったんだ…
 
 
そんな僕の会心の自撮り写真であるが、背景が完全な白じゃないとかケチをつけられて再提出となった。とことん人事の手間を増やす内定者である、やれやれ。しかも今日連絡が来て締め切りが明日とか言われて、これはもう仕方がないってことでカメラのキタムラに証明写真を撮りに行った。面倒なので私服で撮ってやった。1500円なり。
 
そして履歴書サイズの写真4枚+CD-ROMでデータを渡された。CDで渡されるというのも調べたので知ってはいたのだが、僕のPCは当然CDなんて読み取れずはっきり言って面倒なのでオンラインで渡すなり他の手段でよこせと言ったのだが聞き入れられなかった。はーナンセンスすぎる。CDとかいつの時代の産物だよ、握手券買ったらおまけでついてくるものくらいの認識だわ。
 
 
ここからが本題なのだが、写真は3枚とられてその中から選ぶ、でも撮り直しもオッケーよいう形式だった。僕はその3枚の出来上がりを見て、微妙だなーでもこんなもんかーでもなーという点数でいうと70点くらいのものだったのだが、結局それでオッケーしてしまった。単純にやり直すのが面倒というのもあったが、なんか恥ずかしいんだよね。うわ、こいつ撮りなおすのかよと思われるのが。もちろんこの店を二度と使うこともないし、何の関係もない店員にどう思われようが関係ないので、合理的に考えれば気に入らなければ撮りなおせばよい、しかし僕にはそれができなかった。
 
人間はやはり人の目を気にしてしまうのだ。ピザの出前において、電話よりもネット注文の方が人は高カロリーなトッピングを増やすという調査結果を見たことがあるが、要するに電話だとチーズなどをトッピングして、うわこの人デブだな…と思われるて追加を憚るが、オンラインでの機械相手の注文ならそういう思いもなくなるということだろう。僕も600円の無人写真ならできる範囲で全力を尽くすが、今回はあ、じゃあこれでいいです…となってしまった。
 
常に合理的に考えファンダメンタルズを見て意思決定することを信条としているが、今回は敗北と言わざるを得なかった。散々試着して何も買わない、という行動をとれるくらいの図太さは持ち合わせているのだが、今回は写真という、撮りなおしを要求することでナルシストっぽく思われる、という思いに僕が耐え切れなかったのが敗因だろう。無念。