ケニア日記

ケニアのNGOでのインターン記を綴っていたブログ。今は電器メーカーの財務で働いてます。

ケニアが発展してないのは飯がまずいから

いきなり怒られそうなタイトルだが、今回は日記ではなくちょっとケニアで考えてみたことを。
ちなみに考えたとか偉そうなことを言ってますが、前半は僕が感銘を受けた本である
ジャレド・ダイアモンドの「銃・病原菌・鉄」に基づいた話である。
 
「銃・病原菌・鉄」の内容を一言でまとめると、食糧生産力の違いが、現在の文明の差を
もたらしたというものだ。
もともと狩猟採集を行っていたご先祖様たちが、定住し農耕を始めるようになった。
農耕が始まると貯蓄ができるようになり、支配者階級が生まれる。
貯蓄ができるようになったので、農業以外の仕事に費やす時間が生まれ、
知識人層なども誕生し、こうして地域社会が築かれる。
 
中でも、麦、米、ジャガイモ、トウモロコシなどを飼育栽培できるようになり、
かつ牛、豚、鶏、馬などを育成できる環境にあった地域が発展して、華やかな文明を築くのだが、
それは要するにユーラシア大陸なわけである。
中世くらいのヨーロッパやイスラム、中国というのを想像すればわかりやすい。
 
ユーラシア大陸が恵まれていたのはたまたまこうした飼育栽培可能な農作物や家畜が豊富だったこと(ケニア、というかアフリカだと非常に少ない)、また大陸が南北ではなく東西に広がっているため農作物の知識などが伝播しやすいから。
これはたとえば日本国内で見ても青森でリンゴ作って、愛媛でみかん作って、と緯度が少し違うだけで
気候が異なり、栽培可能な作物が変わってくるということから実感できると思う。
 
「銃・病原菌・鉄」の宣伝みたいになってきたけど、要するに白人が頭良くて黒人が悪いから現在のような
格差が生まれたということは全くなくて、たまたま環境が良かったおかげっていうのがこの本に書いてあることなわけですよ。逆に言えば今発展していない国、地域というのは、うまく食糧生産をすることに
成功しなかったってことで、そりゃケニアの飯がまずいのも当たり前なわけである‥
 
ちなみにケニアで有名なチェーン店とかだと、チキンやピザなどあまりケニアっぽくないような料理を
500円くらい出せば食べられて、これは別にまずくはないという感じ。
ただ、たとえば今日の僕の夕食は近所のまずいレストランで120円くらいだったので、
これと比べるとすごい高いんですよ。これが。
日本だとチェーン店って基本的には規模の経済効かせて、バイトとマニュアル化による徹底した人件費削減などとにかく効率化が徹底して、日本が世界に誇るロジスティクスの整備で圧倒的安さを再現してるのに、
これが海外になると個人レベルでやってるお店のほうが安くて、その代わり汚くて微妙と、一方でチェーンはきれいでそこそこおいしくて高いと日本とはまるで逆になるのが非常に興味深い。
思うにこちらのチェーンは日本ほど効率化が進んでいないので、その分値段が高くなってしまうというのと、競合足りうる店がまるでない(チェーンは同じ店ばかりで、個人店は上述の通りしょぼい)
ので企業が努力を怠り、その分ふっかけているのではなかろうか。
 
いろいろ書いたのでまとめると
途上国の飯がまずいのは当たり前。飯がまずい(=安定した食糧生産ができなかった)からそもそも発展してない。
そのような環境においては強力な資本を持つチェーンが強い。
強すぎて競争生まれず寡占になってしまう。(ここはもうちょっと掘り下げ必要だと思う)
 
 
それを思うと日本は競争が激しくて素晴らしい、
まずい飯屋はすぐつぶれるし、基本どこでもおいしい。
あー早くおいしいラーメンが食べたい。